雑穀アドバイザー講座の概要
雑穀アドバイザー講座は、雑穀に関する深い知識や最新の情報を学ぶことができる講座です。雑穀の特性や健康機能性、調理科学、加工技術、地域振興などを多角的に理解し、実践的な提案力と普及のための伝達スキルを身につけることを目的としています。講義と課題に取り組み、認定試験に合格すると「雑穀アドバイザー」として認定され、各分野で雑穀の価値や魅力を広める活動に役立てることができます。
資格認定基準
雑穀に関する正しい知識と情報を身に付け、雑穀の価値を効果的に伝える提案力を備え、多様な食材として活用するための基本的および応用的な知識を有すること。また、健全な雑穀の普及と啓発活動において信頼を得ながら、その活動を加速・拡大していくことができること。
カリキュラム
- 雑穀総論Ⅱ
開講日に、対面にて実施する雑穀の世界観を拡げることを目的とした総論講義です。アジア、アフリカの主要生産地域での雑穀の役割と利用事例、国際市場での需要について学び、雑穀がもつ環境適応力が持続可能な農業生産をどのように支えるか、また、遺伝資源としての保存の重要性と気候変動や食料危機への対応策について理解します。合わせて、最近の雑穀研究、育種・栽培技術の進展等についても紹介します。 - 雑穀の特性と料理
本講義は対面講座として実施いたします。雑穀の基本的な料理特性(食感、粘り、咀嚼、腸活、脳活)を学び、質の良い雑穀の見分け方や保存方法、料理に適した雑穀の組み合わせについて解説します。また、雑穀を活かした料理アイデアや他食材との相性、最新の料理トレンドを取り入れ、素材の特性や料理のことわりを踏まえた実践的に使える内容を通じて、四季折々の魅力を最大限に引き出すための工夫をご紹介します。 - 雑穀と地域振興
本講義では、日本雑穀協会によるこれまでの雑穀の普及、地域振興等の活動経験から、地域資源としての雑穀の活用法や商品開発のポイント、地域ブランドの構築手法、観光資源やイベントとの連携による地域活性化の可能性についてお伝えします。また、実際の成功事例、失敗事例を交え、商品開発や流通、マーケティング戦略の課題と解決策を解説し、雑穀を通じた取り組みが地域振興につながる知識を提供します。 - 雑穀の調理科学とフードデザイン
オンラインによる基礎講義、対面による課題講習を通じて、調理科学の基本を学び、食に対する嗜好性や機能、また、物性や栄養成分など、調理による食品素材の変化のサイエンスをお伝えします。また、美味しさや視覚的な魅力を高めるフードデザインを通じて、雑穀の魅力を最大限に引き出す方法を探求します。課題実習では、雑穀を使った創造的な食事設計の提案を行い、学んだ知識を実践的に活用する機会を提供します。 - 雑穀知識の体系化と伝達技術
雑穀に関する専門知識とノウハウを可視化し、効果的に整理・体系化する方法を学びます。オリジナリティを表現するサービス化やプログラム化の手法、受講者満足度を高める教材設計や学習環境のデザインについて具体的に供与していく中で、雑穀知識の伝達手法と、それを実践的に活用する技法を習得し、各々の活動の場に還元するための力を身につけます。 - 雑穀の健康機能性と活用
2回の講義はオンライン形式で行われ、雑穀の健康機能性とその実用的な活用法を学びます。基礎講義では、食品における健康機能性の基本から、雑穀の機能性成分の役割を知り、分析技術や機能性の評価技術について学習します。応用講義では、実際の社会実装や商品開発事例に基づき、機能性を活かした具体的な活用法を紹介します。質疑応答も交えて理解を深め、商品への実践的な応用力が得られる内容です。 - 雑穀の加工技術と展開
基礎講義と応用講義の2回シリーズで構成されます。基礎講義では、雑穀の基本的な知識や加工技術の意義、主要な加工方法、消費者ニーズとのマッチングについて学びます。応用講義では、国内外の加工事例や地域振興への貢献、SDGsの視点から見た技術の役割、企業とのコラボレーション事例、加工プロセスの動画解説、最新の応用技術について紹介し、質疑応答を通じて実践に向けたアドバイスも行います。
担当講師について
雑穀アドバイザー講座の講師陣は、日本雑穀協会会長や理事をはじめ、大学教授や研究者、事業経営者など、雑穀普及につながる各分野で高い専門性を持つ方々で構成されています。講師陣それぞれの知見を活かし、幅広い視点から、雑穀の魅力や可能性を深く学べる内容となっています。
次回開催の予定
次回の第9回雑穀アドバイザー講座は、オンライン講義と対面講義の併用形式にて、2025年11月~2026年2月期の開催を予定しています。