雑穀の定義
古くからの類型で穀物は、主穀、雑穀、菽穀、擬穀に分けられ、主穀は主食作物であるイネ、コムギ、トウモロコシを指し、雑穀はイネ科作物のうち、小さい穎果をつけるヒエ、アワ、キビなどの総称で、英語でmilletと訳されます。菽穀はマメ類、擬穀はソバ、アマランサス、キノア等であり、主穀と雑穀が現在、穀物(cereal)として広く知られています。雑穀は時代背景や主食の変化につれ、捉えられ方も変わってきており、日本雑穀協会では、これら農学的な狭義の雑穀の定義を尊重しつつ、雑穀と呼ぶ作物の対象範囲を拡げ「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」としています。
雑穀の範囲
十六穀などのミックスされた雑穀や惣菜、製菓・製パン材料など、様々な食品に使用されている雑穀。雑穀に含むもの、含まないものの範囲を以下にまとめています。
雑穀に含む
- キビ、アワ、ヒエ、シコクビエなど、イネ科作物で小さい穎果をつける狭義の雑穀(millet)
- オオムギ、ライムギ、エンバク、ハトムギ、ソルガム(タカキビ、モロコシ、ホワイトソルガム)など、日本人が主食として利用していないイネ科作物
- 大豆や小豆などの豆類(菽穀)
- キノア、アマランサス、ソバなどの擬穀
- ゴマ、エゴマ、アマニ、ヒマワリの種など、主に油脂を利用し、粒食もされる油穀とも称される作物
- 黒米、赤米、緑米などの有色米
- 精米されていない玄米、発芽玄米、及び、玄米胚芽
- 国内では主食として利用されていない、トウモロコシ
- 精白されていない小麦の全粒粉、及び小麦胚芽
- 押麦、米粒麦、きな粉、はったい粉、フリーカなどの精麦、及び加工された状態のもの
雑穀に含まない
- 豆類のうち、一般的にナッツとして扱われているピーナッツ
- アーモンドやクルミ、カシューナッツ、ピスタチオなどのナッツ類
- 松の実、クコの実、かぼちゃの種など、ナッツとして扱われることの多い種実類
- 小麦ふすまなど、穀物の種皮を選別したもの