雑穀物語NEXT〚第13話〛 雑穀米と五穀米とミックス雑穀

この物語は、雑穀の魅力について正しく、わかりやすく広めるために生まれた、雑穀の真実に挑戦する信実のヒューマンドラマです。雑穀の有資格者を中心に、皆様から寄せられた雑穀にまつわる疑問についての答えを探していきます。


グレオ
「ミレイちゃん、雑穀の基本的なこと聞いていい?」

ミレイ
「いいわよ、なぁに?」

グレオ
「雑穀米って、どんなお米なの? 雑穀のようなお米のこと? それとも、お米のような雑穀?」

ミレイ
「いい質問ね。雑穀米って、よく使われている、雑穀とお米が合体したわかりやすい名前よね。でもこれって実は、商品名なのよ。」


グレオ
「えっ商品名なの?」

ミレイ
「そうよ。今では一般名称としても使用されているけど、ブレンド雑穀商品を世の中に広めた、ベストアメニティ株式会社さんの商品名で、商標登録もされているわ。」

グレオ
「へ~、そうなんだ。ということは、他の会社の商品では、使えないってことなのかな?」

ミレイ
「商標登録されている区分の商品については、そうなるわね。特許庁の検索サイトで確認できるわよ。」

グレオ
「なる
ほどね、スマホで調べてみよう。他にもよく使われている雑穀の言葉で商標登録されているものってないかな? ピコピコ。 あった! 五穀米、これも商品名なんだ。」

ミレイ
「そう、五穀米は、お米や雑穀を取り扱っている、有限会社石川商店さんによって商標登録されている商品名よ。でも商標は、少し文字が違えば問題ないことが多いので、○○雑穀米、五穀〇〇米など、似た名前の商品はたくさんあると思うわ。」

グレオ
「そうなんだ。でも、雑穀米や五穀米って、料理の記事やレシピに普通に使われてそうだけどね。」

ミレイ
「一般名称だと思ってそのまま使うと、その商品を紹介してる記事やレシピって間違えられることもあるの。だから、書籍や雑誌などで、レシピのお仕事をしているプロの方は、絶対に商品名を使わないように気をつけているって、出版社の方がおっしゃってたわ。一般の方が投稿するようなレシピサイトでは、よく見かけるけどね。」

グレオ
「ほー、そういうのものなのか。」

ミレイ
「だから、数種類の雑穀をブレンドしたものは、“ブレンド雑穀”や、“ミックス雑穀” が正しい表現なのよ。」

グレオ
「へ~、なるほど。雑穀以外にも、料理の記事やレシピで、一般名称と混合してしまいそうな商品名ってある?」

ミレイ
「そう、例えば、シーチキン。これは、はごろもフーズ株式会社さんの商品名ね。正しい一般名称は、ツナ缶になるの。他に料理に関するものでは、テフロン、タッパー、サランラップ、ジップロックなどが一般的に使われやすい商品名かもしれないわ。それだけ世の中に認知されているってことだけどね。」

グレオ
「そうなんだ。そういえば、うちのばぁちゃん、カレーのことを何でも “ボンカレー”って言ってたけど。」

ミレイ
「ボンカレーは、もちろん、大塚食品株式会社さんの商品名よ。2月12日がボンカレーの日になるほど有名なレトルトカレーよね。今でも田舎に行くと、発売当時の看板見かけることがあるわ。関係ないけど、カレーと雑穀ごはんの相性ばっちりなのよ。」

グレオ
「そだねー! 」

《解説》
雑穀米、五穀米のような多くの方に認知されている呼称だけでなく、工夫を凝らした雑穀の商品名はいろいろとあります。穀数や色、食感などを表す言葉のほか、健康、美人、ヘルシーなど、その意図する商品イメージに合わせた言葉、また、人の名前など様々です。特許庁の検索サイトで確認していくだけでも楽しくなります。各社差別化した商品名で、多くの方に雑穀商品が届けられることを願っています。

参考サイト
独立行政法人工業所有権情報・研修館『特許情報プラットフォーム』

登場人物紹介
  グレオ
神奈川県出身、文学部の大学2年生。趣味は映画観賞と食べること。スマホが離せない少し優柔不断な次男坊。ミレイはカフェのバイト仲間。

  ミレイ
料理と読書、そして雑穀が大好きな、東北の中山間地出身の女子大家政学部の3年生。雑穀エキスパート認定者。責任感が強く、負けず嫌い。

 

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