雑穀物語NEXT〚第24話〛 黒米の表示基準と賞味期限

この物語は、古来から日本人の生活と密接に関わってきた、食の文化財ともいえる雑穀の価値と魅力について、正しくわかりやすく広めるために生まれた、雑穀の真実に挑戦する信実のヒューマンドラマです。雑穀エキスパート資格を持つ、雑穀が大好きなミレイとその友人グレオを中心に、様々なテーマで展開していきます。


グレオ
「ねえ、聞いてくれる? 色のついたごはん炊いてみようと思って、スーパーで黒米買ったら、すでに賞味期限が切れていてビックリさ。」

ミレイ
「えっ、ちょっと見せてくれる?」

グレオ
「これだよ。ここ、先月の日付になっているんだ。お店でちゃんと管理できてるのかな?」


ミレイ
「あー、これね、正しい表示よ。」


グレオ
「えーー、どういうこと?」

ミレイ
「黒米や赤米は、お米でしょ。だから、雑穀だけどお米としての表示になるの。お米は食品表示法の中の玄米及び精米品質表示基準っていう法律に合わせた表示になるのよ。ここ、調製時期って書いてあるでしょ。グレオくんが買った黒米を調製した日が表示されているの。この黒米は玄米なので袋詰めされた日だと思うわ。精米されたお米は、精米時期になって、精米された日が表示されるのよ。その代わりに、賞味期限の表示はしなくても良いことになっているのよね。」

グレオ
「ほんとだ! よく見ると、調製時期って書いてある。」

ミレイ
「そう、お米って、ふつう賞味期限表示がないから、調製日を賞味期限と間違えてしまうことがあるの。」

グレオ
「なるほど。」

ミレイ
「このお米の表示を見てくれる?精米したお米だから、精米での表示なんだけど、日付がちょっと違っているでしょ。」


グレオ
「ホントだ、4月中旬になってる。」

ミレイ
「これはね、今までお米は、調製や精米した日を記載する必要があったんだけど、去年法律が改正されて、調製した日や精米した日について、日付だけでなく、年月の上旬、中旬、下旬の表示も可能になったのよ。この旬表示になって、今までより長くお店で販売できるので、無駄が少なくなるって、知り合いのお米屋さんが言ってたわ。お店に並べておくと、その日付が古くなると売れなくなるんだって。それで、値下げしたり、返品になったり、まだ十分食べることができるのに廃棄されてしまったり、いろいろと問題が出ていたのよ。」

グレオ
「なるほどね。やっぱり、出来たての新しいもの好きな人多いもんね。でも、僕みたいに賞味期限と間違えてしまうこともあるよね。何でお米には、賞味期限は表示されていないのかな?」

ミレイ
「お米って、その精米度合いや保存状態、また季節によってもおいしく食べることのできる期間が異なるの。そのため、賞味期限で一律に管理してしまうと、お店で無駄になったり、流通上の混乱を招く可能性もあって、賞味期限の表示はされていないと思うのよ。」

グレオ
「そーかー。」

ミレイ
「でも、最近は少しずつだけど、お米会社さんの任意表示として、賞味期限を表示枠の外に書いている商品も見かけるようになったわ。」

グレオ
「賞味期限が載ってると、おいしく食べることができる期間がわかるからいいこともあるよね。そういえば、友達から聞いたんだけど、食事を作るとき、パンとお米が家にあって迷ったら、パンの期限を見てどっちを食べるか決めることも多いらしいよ。パンの期限が切れそうだと、“ パン食べなきゃ!” って思うみたいだね。」


ミレイ
「それもそうね。ずっとお米の消費量が減っているけど、賞味期限表示があれば、お米の期限が近づくと早く食べなきゃ!って、ごはんの消費がどんどん増えるかもね(笑)。」

グレオ
「うん、そうだね。どうせ食べるのなら、おいしい時期に食べたいもんね。でも、黒米の賞味期限切れてたー!ってお店にクレーム言って、赤っ恥かかなくて助かった。」

《解説》
雑穀が粒として流通している場合は、生鮮食品、玄米及び精米、加工食品、それぞれの表示基準に従って食品表示がされています。そのため、賞味期限や原料産地、保存方法、栄養成分表示など、それぞれ必要な表示内容は異なっています。黒米や赤米などの有色米については、お米と同様に玄米及び精米品質表示基準が適用されます。同じ雑穀であっても異なりますので、それぞれの表示内容を理解しておく必要があります。

参考サイト
消費者庁『食品表示法等(法令及び一元化情報)』
農林水産省『お米の流通に関する制度』
農林水産省『玄米及び精米表示の見直し(年月旬表示の導入)について』
農林水産省『お米の消費拡大情報サイト「やっぱりごはんでしょ!」』

登場人物紹介
  グレオ
神奈川県出身、文学部の大学2年生。趣味は映画観賞と食べること。スマホが離せない少し優柔不断な次男坊。ミレイはカフェのバイト仲間。

  ミレイ
料理と読書、そして雑穀が大好きな、東北の中山間地出身の女子大家政学部の3年生。雑穀エキスパート認定者。責任感が強く、負けず嫌い。

 




PAGE TOP