とかちNOBUKOブレンドに見る、雑穀・豆類を活かした地域実践

十勝と雑穀への思いを、素材選びから日々の食卓へ

雑穀の価値は、栄養や機能性だけで語られるものではありません。

どこで育ち、どのような人が関わり、どのような思いで選ばれ、どのように食卓へ届けられるのか。
その背景にある地域の風土や、食に関わる人の経験、日々の実践が重なることで、雑穀はより身近で、続けやすい食材になっていきます。

北海道十勝で生まれた、雑穀クリエイター栂安信子さんによる「とかちNOBUKOブレンド」は、そうした雑穀の実践を感じさせる取り組みのひとつです。

十勝の食を伝える雑穀ブレンド

北海道十勝は、畑作、酪農、豆類、小麦、馬鈴薯、甜菜など、多様な農産物が育つ日本有数の食料生産地域です。
その十勝で、料理教室やカフェを通じて地域の食材を日々の料理に取り入れてきた実践から生まれたのが、とかちNOBUKOブレンドです。

このブレンドは、単に複数の雑穀や豆類を組み合わせたものではありません。
雑穀クリエイターとして素材を見極める視点、十勝観光大使として地域の魅力を伝えたいという思い、
そしてNOBU KITCHEN Caféとして食べる人に寄り添う姿勢が込められています。

ひとつひとつの素材を実際に食し、味わい、食感、香り、炊き上がりを確かめながら、十勝の素材のすばらしさをどう伝えるか。
その積み重ねの中で形づくられたブレンドです。

単なる雑穀ブレンドではない

とかちNOBUKOブレンドは、北海道の大地の恵みを活かした雑穀ミックスです。

しかし、その魅力は「北海道産原材料を使っている」ということだけではありません。
大切なのは、その素材がどのように選ばれ、どのように確かめられ、どのような思いで一つのブレンドにまとめられているかです。

とかちNOBUKOブレンドには、十勝産を中心とした北海道産原材料が使われています。

十勝は、豆類の一大産地です。
だからこそ、その中でもこのブレンドに適した素材を見極めることが大切になります。

日本最大級の豆類産地である十勝だからこそ、素材の選択肢は豊富にあります。
その豊かさの中から、ブレンドとしてのおいしさ、食べやすさ、伝えやすさに合う原材料を選ぶことが、この商品の大切な土台になっています。

産地に足を運び、食べて確かめた素材選び

雑穀や豆類は、それぞれに個性があります。

色合い、粒の大きさ、食感、香り、甘み、炊き上がりの印象。
特に豆類は、同じ種類であっても、品種や産地、生産者、加工の状態によって、食べたときの印象は大きく変わります。

そのため、産地に足を運び、生産の現場に触れ、ひとつひとつの素材を実際に食べて確かめながら原材料が選ばれています。

さらに、試作を重ねるだけでなく、NOBU KITCHEN Caféのメニューとして提供し、お客様の反応や食べたときの印象も確認しながら、ブレンドとしての仕上がりが確かめられています。

「素材の良さを伝えたい」
「十勝の食の魅力を食べてもらいたい」
「日々の食卓で、雑穀を楽しんでもらいたい」

そうした思いをもとに、何度も試食し、何度も確かめながら作り上げられているのが、とかちNOBUKOブレンドです。

食べやすさと、十勝らしさを両立する

雑穀ブレンドは、複数の原材料を組み合わせた商品です。
しかし、単に種類を多く入れればよいわけではありません。

見た目、食感、味わい、炊きやすさ、料理への合わせやすさなど、さまざまな要素を考えながら設計する必要があります。

ごはんに混ぜて炊いたときに、色合いや食感が加わり、いつもの食卓に少し特別感が生まれる。
それでいて、日常の食事として続けやすい。

この「特別すぎない特別感」は、雑穀を広げていくうえで、とても大切な視点です。

雑穀を初めて食べる人にも受け入れられやすく、すでに雑穀を楽しんでいる人にも、素材の個性や地域性を感じてもらえること。
その両方を意識しながら、食べやすさと十勝らしさを大切にしたブレンドとして仕上げられています。

食べる体験から、地域への関心が広がる

雑穀に関心を持つきっかけは、人によってさまざまです。

健康のために食べてみたい。
いつものごはんを少し変えてみたい。
地域の食材を応援したい。
食の活動や事業に活かしたい。

実際に食べてみて、おいしいと感じる体験があれば、雑穀は続けやすくなります。
そして、続ける中で、産地や生産者、地域の背景にも関心が広がっていきます。

このことは、雑穀を「知識」として伝えるだけでなく、「食べる体験」として届ける実践といえます。

雑穀を通じて十勝の食材を知る。
雑穀を食べることで、地域の魅力に触れる。
そのおいしさをきっかけに、日々の食卓へ取り入れていく。

この流れをつくることも、雑穀の大切な活用のひとつです。

NOBU KITCHEN Caféの思いが結集したブレンド

とかちNOBUKOブレンドには、NOBU KITCHEN Caféの思いが込められています。

それは、十勝の素材を大切にしたいという思い。
実際に食べて、そのおいしさを伝えたいという思い。
そして、地域の魅力を、日々の食卓の中で感じてもらいたいという思いです。

雑穀クリエイターとして、素材の特徴を見極める。
十勝観光大使として、地域の食の魅力を伝える
カフェの運営者として、食べる人の反応を受け止める。

その一つひとつの経験が重なり、ひとつの雑穀ブレンドとして形になっています。
とかちNOBUKOブレンドは、単なる原材料の組み合わせではなく、十勝の食を知り、食べ、伝えてきた実践の積み重ねから生まれたブレンドといえます。

実践事例から見える、雑穀の価値

雑穀は、小さな一粒でありながら、地域、食卓、人の活動をつなぐ力を持っています。
大切なのは、その価値をどのように見つけ、どのように形にし、どのように届けていくかです。

とかちNOBUKOブレンドには、十勝の素材を大切にし、その魅力を食べる人へ届けたいという思いが込められています。

原材料の希少性から、届けられる数には限りがあります。
しかし、産地に足を運び、素材を食べて確かめ、カフェの現場で反応を受け止めながら作り上げられたこのブレンドは、その思いとともに、食べる人へ丁寧に届いていくはずです。

それは、雑穀を地域の中で活かし、日々の食卓へつなげていく実践のひとつです。

日本雑穀協会では、これからも雑穀に関わるさまざまな実践を紹介しながら、雑穀の新たな可能性を発信してまいります。

 

執筆:中西 学(一般社団法人日本雑穀協会 事務局長)
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