日本雑穀協会

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雑穀について
主な種類と特徴
キビ(黍) Common millet


イネ科、キビ属に分類される一年生草本

中央アジアなどが原産地で、ヨーロッパには石器時代に伝わり、18世紀にヨーロッパからの移民がアメリカに伝えた。日本においても古くから栽培されていたが、古代の記録にはないため、あわ、ひえ、稲よりも遅れて伝来したと考えられている。見た目どおり、“黄実”が語源でキビと呼ばれるようなったと言われるが、品種により白っぽいものや褐色のものもある。
生育期間が短く、乾燥にとても強く、収穫も手間がかからないが、鳥害を受け易いので工夫が必要。
北海道から沖縄まで全国で栽培され、ほとんどがもち種となっている。 栄養価としては、ビタミンB1、B6、亜鉛、ナイアシンが豊富であり、黄色い色素はポリフェノールで抗酸化性に優れている。
小粒な雑穀としてはコクや甘みが強く、冷めてからも、もちもちした食感が残る。

アワ(粟) Foxtail millet


イネ科、アワ属に分類される一年生草本

原型は雑草のエノコログサ(ねこじゃらし)と推定される。原産地は中央から西アジアで、シベリア、オーストリアを経て、ヨーロッパに石器時代に伝わったとされる。日本においては、縄文時代から栽培されていたひえと並ぶ日本最古の穀物で、稲が伝来する前の主食だったと見られる。現在、イタリア、ドイツ、ハンガリーやアメリカなどで栽培されている。日本全国で広く栽培されているが、その多くがもち種となっている。うるち種は主にアレルギーの代替食として利用されている。
表面の色素はポリフェノールであり、パントテン酸の含有量が雑穀の中では特に多い。その他、ビタミンE、B1、B6、ナイアシン、カリウム、鉄、亜鉛を多く含む。
あわは、風味が淡いことに由来しており、あっさりとクセがなく、上品で食べやすい。もち種はもっちりとした食感。

ヒエ(稗) Japanese millet


イネ科、ヒエ属に分類される一年生草本

縄文時代に中国から伝来した説や日本起源説があり、あわと並んで日本最古の穀物と見られている。名前は「冷え」に耐えることに由来しているとも言われるほど寒さに強いため、寒冷地や高地でも栽培でき、救荒作物としても利用されてきた。自然界にあるのはうるち種のみであるが、最近もち種が育成され、今後は流通していくと考えられる。
含有たんぱく質には、血中の善玉コレステロール値を高める作用があるといわれている。ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、カリウム、リン、亜鉛を含む。
クセのない味わいであるが、うるち種なので、冷めるとパサパサしやすいため調理の工夫が必要。

モロコシ(和名:高きび) Sorghum


イネ科、モロコシ属の一年生草本

アフリカが原産地で、紀元前3000年以前に栽培されていたと考えられている。その後、アラビア、インド、中国に伝わり、北部から満州にかけて広く栽培されるようになりました。日本には14世紀ごろに中国から高粱という品種が伝来したと記録されていますが明確ではありません。
非常に使用用途が広く、実を粉にして主食にするほか、ビールの醸造原料としても用いられます。また、穂を箒として利用したり、茎は飼料や壁の材料、燃料、さらには、糖蜜も採取でき、青刈りして飼料にもされている。栄養価としては、ポリフェノール、カリウム、リン、ビタミンB1、B6を含む。
赤みを帯びた色、弾力のある噛み応え、コクのある味わいからミート・ミレットとも呼ばれ、ひき肉の代用素材としてよく使われる。

オオムギ(大麦) barley


イネ科、ホルディウム属に分類される越年草本

中近東原産であり、日本には縄文時代後期から弥生時代に伝来した。穂の形状によって、「六条大麦」と「二条大麦」に分かれ、それぞれが「皮性」と「裸性」に分かれる。一般的に食用にしているのが六条大麦で、二条大麦はビール原料などに使われる。大麦は食物繊維、特に水溶性繊維の含有量がとても多いのが特徴。一般的には、精麦した大麦を「丸麦」、丸麦を蒸してローラーで押しつぶして食べやすく加工したものを「押麦」、米のような形状に加工したものを「米粒麦」と呼んでいる。パラパラとした食感の「はだか麦」、もちもちした食感でβグルカンを多く含む「もち麦」なども流通量が増えてきている。

ハトムギ(はと麦) Job’s tears


イネ科、ジュズダマ属に分類される一年生草本

川辺で見かける多年生植物「ジュズダマ」の変種とされる。起源は東南アジアで、日本には江戸時代に中国から薬用として渡来。中国では古くから漢方薬や滋養強壮食として重んじられ、日本でも薬用、食用、健康茶用などに小規模に栽培されてきた。漢方の生薬名はヨクイニンで、美肌効果、新陳代謝の促進、利尿作用、解毒作用がある。雑穀の中でも独特の粉っぽく硬めの噛み応えで、素朴な雑穀らしさがある。精白した丸粒状のものが多く流通しているが、挽き割りされた状態のものもある。

ソバ(蕎麦) Buckwheat


タデ科ソバ属に分類される一年生草本

ソバ属では通常3種が区別され、普通種、ダッタン種、シュッコン種がある。
原産地は東アジアの温帯北部と見られている。日本には中国から朝鮮を経て8世紀までに渡来したとされ、772年に旱魃に備えてソバ栽培を奨励したのが最古の記録である。
たんぱく質やビタミンB群やミネラルのほか、ソバ特有の成分でポリフェノールの一種であるルチン(ビタミンP)を含む栄養価の高い食品である。ダッタンソバのルチンやカルシウム、マグネシウム、ビタミンB2含有量は、雑穀の中でもかなり高い。殻を取り除いた「そば米」は、つるんとした食感で、手軽に料理に使える。

アマランサス Grain amaranthus


ヒユ科、ヒユ属の一年生草本で、一連のヒユ科の栽培植物の総称

60の属の中に800の種があり、その内、観賞用、野菜用、穀実用などで約10種類が栽培されている。穀実用としては、センニンコク(仙人穀)、ヒモゲイトウ(紐鶏頭)、スギヒモゲイトウの3種がある。
アマランサスの栽培化は古く、紀元前5000年~紀元前3000年には、アンデス南部の山岳地帯でアステカ族という民族が栽培しており、以来13世紀に興ったインカ帝国に至るまで、トウモロコシ、インゲンマメなどに匹敵する重要作物であった。日本には、江戸時代にヒモゲイトウが観賞用として導入され、東北地方では小規模ながらアカアワなどの名前で食用にも栽培されていた。カルシウム、ビタミンB6、葉酸、鉄、亜鉛は穀物の中でもかなり高い。他の雑穀と違い、種皮が柔らかいので精白しないで全粒で食べることができることは、高い栄養価の一因でもある。一方で独特の香りがあるので、料理に使う量は加減が必要である。

キノア Quinoa


アカザ科アカザ属に分類される一年生草本

南米インカ帝国では、食料として重要な位置を占めていたといわれる。アメリカのNASA(航空宇宙局)が、「21世紀の主要食になる」と発表したことで、世界中で広く知られるようになった。主要生産国はボリビアやペルーで、日本で流通しているものはほとんどが輸入品。冷涼少雨な気候でもよく育ち、カルシウム、鉄分などのミネラル、食物繊維を多く含む。脱穀した種子は白く扁平な円形をしていて、加熱調理すると胚芽が細く白い髭の様に出てくる。糠のような独特の香りがあるので、料理には加減しながら使用する必要がある。

シコクビエ Finger millet


イネ科オヒシバ属に分類される一年生草本

原産地は、エチオピアからウガンダにかけての東アフリカ高原地帯。紀元前1,300年頃にはすでにインドで栽培されており、その後東アジアに伝わり、日本には、縄文時代晩期に伝えられたと考えられている。現在の栽培地は、東アフリカ、インド、ネパールが中心で、イネが栽培できない東南アジアの中山間地でも栽培されている。日本では、中部地方、近畿地方、四国地方の中山間地でわずかに栽培されている程度。原産地の東アフリカでは、粥や団子状にしたウガリが主食として食べられるほか、ビールとして醸造されている。インドやネパールでも、ロティというパンにしたり、醸造、蒸留して飲まれていて、日本では、岐阜県や徳島県で「だんご」として食べられている。粉にしてパンやクッキーなどに利用できる。

(古代米・有色米)

イネ科。玄米に独特の色や香りを持ち、日本や世界の片隅で栽培されてきたイネ。黒米(紫米、紫黒米)、赤米、緑米、香り米などがあるが、呼称は統一されておらず、研究者によってもその定義は異なる。

黒米 Black kerneled rice

黒色の種皮部分には抗酸化作用や美肌効果があるといわれるポリフェノールの一種アントシアニンを含む。中国では薬米として、薬膳料理にも使われている。白米と比べて、食物繊維、鉄分、マグネシウム、などの栄養素に富んでいる。日本における栽培はほとんどがもち種である。炊飯や料理では、少量でかなり濃い色が出る。

赤米 Red kerneled rice

赤褐色の種皮部分には抗酸化作用のあるポリフェノールの一種タンニンを含む。縄文中期に日本に稲作が伝来した米は赤米とされ、日本の米のルーツといえる。赤飯の起源は赤米を蒸したものといわれ、魔除けの赤色をした食物として珍重されていた。日本では、うるち種、もち種共に栽培されている。白米に1~2割り程度混ぜて炊くと、ほんのりピンク色になる。

緑米 Green kerneled rice

緑色は緑黄色野菜と同じ光合成色素のクロロフィル。古代米の中でも生産量が一番少なく、日本で流通しているのはもち種。普通の稲の未成熟米を緑米として流通されている場合もあるので確認が必要。色移りがほとんどないので料理に使いやすい。加熱すると透明感を増す。