令和7年度ハトムギ生産・輸入動向から考える、商品開発と情報発信の視点

生産・輸入の変化を、商品設計と発信の判断材料としてどう読むか

ハトムギは、古くから食用や健康素材として利用されてきた雑穀のひとつです。
雑穀ごはん、ブレンド雑穀、茶、菓子、加工食品など、さまざまな形で活用されており、一般消費者にも比較的認知されている素材といえます。

一方で、ハトムギを取り巻く状況は変化しています。

国産ハトムギの生産状況、産地の動き、品種、輸入原料の価格や調達環境などを見ると、これまでと同じ感覚だけでは、商品づくりや情報発信に十分対応できない場面も出てきています。

そこで、日本雑穀協会では、法人会員や有資格者に向けて、最新データをわかりやすく整理した「令和7年度ハトムギ生産・輸入動向レポート」の解説動画を配信しています。
本記事では、解説動画でお伝えしている内容から、ハトムギの生産・輸入動向をどのように読み、商品開発や情報発信にどう活かすべきかについての視点を整理します。

ハトムギを取り巻く状況に変化が見られる

ハトムギは、雑穀の中でも比較的用途が広い素材です。

雑穀ブレンドに配合される粒原料としてだけでなく、ハトムギ茶、健康茶、焙煎原料、菓子素材、健康イメージを持つ加工食品など、食品分野で幅広く活用されています。
また、食品分野に加え、化粧品の原材料などにも活用されています。

そのため、ハトムギを原材料として考える際には、過去数年にわたる作付面積や生産量、国内価格、輸入価格、他の作物との関係など、複数の視点から見る必要があります。

安定して活用していくには、これらを総合して把握することが大切です。

データは「数字」ではなく「判断材料」として見る

生産量、作付面積、輸入量、輸入単価などのデータは、数字そのものを眺めるだけでは十分ではありません。
大切なのは、その数字から何を判断するかです。

たとえば、ある年の生産量が増減したとしても、それだけで「需要が伸びている」「市場が縮小している」とは言い切れません。
天候の影響、作付けの意向、産地の事情、在庫、価格、輸入原料との関係、実需者側の使い方など、複数の要素が重なっているためです。

また、流通や取引の現場では、原料が「足りない」「余っている」といった情報が先行することがあります。
もちろん、需給に関する情報は重要ですが、その背景には一時的な在庫状況、価格交渉、調達方針、販売戦略など、さまざまな事情が含まれている場合があります。

そのため、断片的な情報だけで判断するのではなく、複数年のデータや産地の状況、輸入動向、実需の変化などをあわせて見ていくことが必要です。

日本雑穀協会では、雑穀に関するデータや現場情報を、特定の取引や個別企業の立場に偏らない第三者的な視点から整理し、発信することを大切にしています。
そのような情報の積み重ねが、商品開発や事業展開、原料調達や情報発信をより的確に行うための判断材料になると考えています。

つまり、データは結論そのものではなく、今後の見通しを考え、商品開発や事業判断を行うための材料となります。

数字を単独で紹介するのではなく、
「そのデータを、現場でどう読み活用するか」
「商品企画や提案にどう反映するか」
を重視することが大切です。

ハトムギは「単品素材」ではなく、展開の起点になる

ハトムギは、単独の商品素材としてだけでなく、ハトムギ茶、焼き菓子、パン、シリアル、スープなど、さまざまな展開の起点になります。
また、国産ハトムギの場合は、産地との連携や地域性のある商品づくりにもつながります。

だからこそ、特に国産原料の動向は、注視しておく必要があります。

どのような産地で作られているのか。
安定的に調達できるのか。
どの用途に向いているのか。
輸入原料との違いをどう捉えるのか。
価格や供給量を踏まえて、継続商品として成立するのか。

こうした視点を持つことで、ハトムギは単なる配合原料ではなく、商品価値や提案価値をつくる素材になります。

ハトムギの生産・輸入動向は、単なる統計情報ではなく、これからの雑穀活用を考えるための重要な判断材料です。

日本雑穀協会では、ハトムギの生産・輸入動向に関する有資格者会員向け解説動画も配信しています。
動画では、都道府県別の作付状況、主要産地の動向、品種、輸入量・輸入単価の推移などをもとに、国産ハトムギと輸入原料をめぐる見方や、商品開発・情報発信に活かすための視点を整理しています。

今後も、講座運営、商品評価、会員活動、産地・企業との連携を通じて蓄積してきた知見をもとに、雑穀を実践に活かすための情報発信を続けていきます。

 

執筆:中西 学(一般社団法人日本雑穀協会 事務局長)
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