感謝は、連携の始まり。

雑穀の普及を支える、人と人とのつながり

「雑穀×感謝」と書かれたTシャツを着た男性の後ろ姿と、「感謝は、連携の始まり。雑穀の未来をつくる、人と人とのつながり」の文字を配したアイキャッチ画像。希望を感じる明るい空を背景にしている。

日本雑穀協会が認定する資格をお持ちの皆さまに向けて、オリジナルTシャツをつくりました。

背中に入れた言葉は、「雑穀×感謝」。

協会の活動を続けていると、雑穀は、決して誰か一人の力だけで広がっていくものではないと感じます。

雑穀を育てる人がいます。
収穫した雑穀を選別し、調製し、加工する人がいます。
それを使って商品を開発する人、料理する人、販売する人、情報を伝える人がいます。

そして、実際に手に取り、食べる人がいます。

一粒の雑穀が食卓に届くまでには、多くの人が関わっています。

その一つひとつの仕事や活動に、私たちが「感謝」の気持ちを持つこと。
そして、その先に生まれる「連携」について、考えてみたいと思います。

それぞれが頑張るだけでは、広がらない

雑穀の普及には、それぞれの立場での努力が欠かせません。

良い雑穀をつくること。
魅力ある商品を開発すること。
おいしい料理を提案すること。
そして、その価値をわかりやすく伝えていくこと。

どれも大切です。

ただ、それぞれが別々に動いているだけでは、雑穀の価値を十分に広げていくことは難しいと感じています。

生産する側には、生産する側の事情があります。
商品をつくる側には、品質や価格、供給量など、さまざまな条件があります。
販売する側には、どう伝え、どう選んでもらうかという課題があります。
そして、食べる人にも、味や価格、使いやすさなど、それぞれ異なる視点があります。

立場が違えば、見えているものも違います。

だからこそ、まず互いのことを知り、理解しようとすることが大切になります。

人、企業、情報が集まる場

日本雑穀協会は、特定の業界だけで構成される団体ではありません。

雑穀を生産する人、加工する企業、商品をつくる人、料理や食の現場で活用する人、研究する人、情報を発信する人。
さまざまな立場から雑穀に関わる人や企業、そして情報が集まる場です。

そこには、一つの立場だけでは得られない知識や経験があります。

生産の現場から見えること。
商品開発の現場だからこそわかること。
食べる人の反応から気づくこと。
研究によって明らかになること。

それらを持ち寄り、つないでいくことも、協会の大切な役割の一つだと考えています。

感謝から、連携へ

連携というと、少し大きな言葉に聞こえるかもしれません。
しかし、その始まりは、もっと身近なところにあるように思います。

相手の仕事や役割を、当たり前だと思わないこと。
それぞれの存在を認めることから、相手の立場に目が向くようになります。

生産する人の声を、商品をつくる人が聞く。
商品をつくる人の考えを、販売する人や伝える人が理解する。
そして、食べた人の声を、また生産や商品づくりへ返していく。

こうしたやり取りが重なることで、単独では生まれなかった新しい取り組みや考え方が生まれていきます。

雑穀の普及を、点ではなく線で考える

雑穀の普及というと、知ってもらうこと、商品を増やすこと、食べる機会を増やすことなどが思い浮かびます。

もちろん、どれも重要です。
しかし、それぞれを一つの「点」として考えるだけではなく、互いにつながる「線」として考えることも必要だと思います。

生産された雑穀が、どのように使われるのか。
開発された商品が、どのように消費者へ届くのか。
食べた人の声が、その後の商品づくりや生産にどう生かされるのか。

その流れがつながることで、雑穀を支える基盤は、少しずつ強くなっていきます。

さらに、その中に研究や教育、地域での活動、情報発信などが加われば、雑穀の価値は食材としてだけでなく、より幅広い形で社会に伝わっていきます。

雑穀の普及には、一つの方法だけがあるわけではありません。
だからこそ、異なる立場の人たちが、それぞれの得意なことを持ち寄る意味があります。

長く受け継がれてきたものを、これからへ

雑穀は、長い歴史の中で、地域の暮らしや食文化と結びつきながら受け継がれてきました。
そこには、種を守る人がいて、栽培を続ける人がいて、それを食べ、使い続けてきた人がいます。

今では、雑穀は健康や栄養だけでなく、食の多様性、地域資源、農業、環境など、さまざまな視点から捉えられるようになりました。
時代が変われば、雑穀に求められるものも、伝え方も変わっていきます。

その変化に対応していくためにも、これまで以上に、人や企業、情報がつながっていくことが大切です。

誰か一人が雑穀の未来をつくるのではなく、それぞれの立場から関わる人たちが、少しずつ力を持ち寄っていく。
その積み重ねが、雑穀の新しい可能性につながっていくのだと思います。

「雑穀×感謝」から

私たちの活動は、多くの方々との関わりによって成り立っています。
そして、雑穀そのものも、多くの人の手や知恵を通して、今につながっています。

相手を知る。
理解する。
そして、できることを持ち寄る。
そこから、新しい連携が始まります。

感謝は、連携の始まり。

雑穀に関わる人や企業、情報が集まり、つながる場として、それぞれの力を結びながら、感謝をもって雑穀の価値を皆さまと共に育てていきたいと考えています。

 

執筆:中西 学(一般社団法人日本雑穀協会 事務局長)
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