人とのつながりから考える、協会活動の「感謝と応援」

「感謝」という言葉は、日常の中でよく使われます。
何かをしていただいたときに、「ありがとうございます」と伝える。
それは、とても大切なことです。
しかし、感謝には、それだけではない意味があるように感じることがあります。
協会活動のさまざまな関わり
協会の活動は、会員企業だけでは成り立ちません。
協会は民間の団体ですが、公的な理念を掲げる以上、その活動は会員だけに向けられたものではありません。
雑穀を生産する人、研究する人、商品をつくる人、販売する人。
料理をする人、学ぶ人、伝える人、そして食べる人。
資格講座も、日本雑穀アワードも、多くの人や企業の関わりによって成り立っています。
協会は、そのさまざまな人たちの間にあります。
活動を続けていると、「私たちは、多くの人に支えられている」ということを、何度も実感します。
感謝とは、力や役割に気づくこと
協会活動における「感謝」について、もう少し広く考えてみると、
感謝とは、人や企業、団体が持っている力や、果たしている役割に気づくことでもあるのではないでしょうか。
協会活動を通じて、
「この方には、こんな経験があったのか」
「こんな思いを持って活動されていたのか」
「この知識は、ほかの人にもぜひ伝えてほしい」
と気づくことがあります。
それまで見えていなかった経験や知識、技術、思いが見えてくる。
すると、人を紹介したり、活動を伝えたり、新しい場に参加していただいたりと、次の機会が生まれます。
感謝は、相手から何かを受け取ったことに気づくだけではなく、
その人や企業が持つ価値そのものに気づくことでもあるのだと思います。
「感謝」から、役割が広がっていく
長く協会に関わってくださっている方々を見ていると、興味深く感じることがあります。
関わりを続ける中で、活動の幅や役割を広げていく方が少なくないことです。
学ぶ立場だった人が、やがて伝える立場になる。
雑穀を仕事の一部として扱っていた人が、商品開発や地域活動へと関わりを広げていく。
企業の中で、より大きな役割や責任を担うようになる。
一つの活動への協力が、新しい人との出会いや仕事につながる。
もともと持っていた経験や知識、技術、思いが、人との出会いや機会によって形になっていくのです。
企業との関わりでも同じです。
協会が企業の持つ技術や経験、取り組みに気づき、それを社会へ伝える。
一方で、企業との関わりから、協会自身も新しい視点や課題に気づいていきます。
企業は、協会を支える存在であると同時に、協会と一緒に新しい価値を生み出していく存在でもあります。
人も企業も、人との関わりの中で、それまで気づいていなかった可能性に出会うことがあります。
協会には、そうした出会いを生み出し、新しい役割や可能性へとつないでいく役目があります。
感謝を、応援と次の行動へ
協会にとっての感謝は、その気持ちを伝えるだけで終わるものではないと考えています。
協会は、講座で学ぶ人、商品づくりに取り組む企業、生産や研究に携わる人、活動を支えてくださる会員など、さまざまな人との関わりの中で、多くの知識や経験、思いを受け取っています。
だからこそ大切なのは、いただいたものを、次の価値へとつなげていくことです。
学びを活かす機会をつくる。
優れた活動を広く伝える。
人と人をつなぎ、新しい挑戦を応援する。
「感謝」と「応援」は、とても近いところにあると思っています。
誰かの活動を知り、その努力や思いに気づけば、自然と応援したくなります。
雑穀を生産してくださる人への感謝があるから、その産地を応援したい。
優れた商品を生み出す企業への感謝があるから、その取り組みを多くの人に伝えたい。
雑穀について学んでくださる方への感謝があるから、その知識や資格を次の活動につなげてほしい。
そして、雑穀の研究や文化を積み重ねてきた人たちへの感謝があるから、それを次の世代へ伝えていきたい。
受け取った知識や経験、協力を、別の誰かや次の活動へとつないでいく。
感謝を、次の行動へ変えていくことも、協会の大切な役割だと思っています。
「感謝」は、これまでのつながりを見つめること。
「応援」は、そのつながりを未来へ伸ばしていくこと。
そう考えると、感謝は過去だけに向けられるものではなく、未来をつくる力にもなるのではないでしょうか。
人の役割がひらく場所へ
協会に人が集まる意味は、単に情報を交換したり、事業に参加したりすることだけではありません。
企業、生産者、研究者、料理に携わる人、資格を取得した人、地域で活動する人。
それぞれが持つ経験や知識が、別の誰かとの出会いによって、新しい価値へと変わっていくことがあります。
一人ではできなかったことが、誰かとの出会いによって動き始める。
知られていなかった活動が、誰かに伝わることで広がっていく。
学んだ知識が、新しい仕事や地域での活動に活かされる。
そうした変化が生まれる場所でありたいと思っています。
人との出会いや出来事に感謝する。
そこにある価値に気づく。
そして、その人や活動を応援する。
そこから新しい役割が生まれ、その役割がまた誰かを支え、新しい感謝につながっていく。
そんな循環をつくっていくことも、協会の大切な仕事です。
その「感謝」を、次の誰かへ。
私たちは、これからも人と人、企業と人、そしてさまざまな活動をつなぎながら、ともに可能性を広げていきたいと考えています。
関連情報:雑穀エキスパート講座/日本雑穀アワード/法人会員制度
執筆:中西 学(一般社団法人日本雑穀協会 事務局長)
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